「善光寺参り絵解き図」制作の趣旨

■ 趣旨 ■

善光寺の信仰は、善光寺縁起を描いた絵伝を絵解きすることによって全国に広まりました。
このたび長野の絵解きの文化を発展させ、継承するために「善光寺参り絵解き図」を制作します。それを使って新たな絵解きを創造します。
平成27(2015)年には善光寺御開帳と新幹線金沢延伸が予定されています。それを前に、長野独自の伝統文化を全国に発信していきます。


平成25(2013)年2月19日
善光寺参り絵解き図制作プロジェクト

2013/09/24

絵解き図に描かれる場所 栽松院

 善光寺参り絵解き図制作プロジェクトメンバーの小林竜太郎です。私はこのブログで、絵解き図に描かれる場所の話題を書いていきたいと思います。

 善光寺表参道沿いに栽松院(さいしょういん)というお寺があります。観音堂から始まった寺で、「しまんりょう」の名で親しまれています。長野市民によく知られた「しまんりょ小路」の「しまんりょ」の名前は、このお寺に由来します。栽松院は今回の絵解き図にも描かれる予定です。
 その栽松院の境内にあるのが、嶋の天神です。その天神さんの前には、昭和4年につくられた、こんな石の標柱が立っています。

 

「善光寺 嶋の天神」

 ここは善光寺境内でないにもかかわらず、「善光寺」と書かれています。昔は、善光寺の周囲の町、いわゆる「善光寺町」のことも善光寺と称していたからでしょう。
 
 
 善光寺参り絵解き図には、善光寺境内だけでなく、周囲の町、寺社、山、川なども描きこまれます。善光寺なのになぜ周囲も含まれるのでしょうか? 現代の感覚では不自然に思われるかもしれません。でも昔の人々は、善光寺の周囲の暮らしや自然の営みも、善光寺の一部として、一体のものととらえていたはずです。この感覚を、絵解き図を通して多くの方に取り戻してほしいと願っています。(小林竜太郎)