「善光寺参り絵解き図」制作の趣旨

■ 趣旨 ■

善光寺の信仰は、善光寺縁起を描いた絵伝を絵解きすることによって全国に広まりました。
このたび長野の絵解きの文化を発展させ、継承するために「善光寺参り絵解き図」を制作します。それを使って新たな絵解きを創造します。
平成27(2015)年には善光寺御開帳と新幹線金沢延伸が予定されています。それを前に、長野独自の伝統文化を全国に発信していきます。


平成25(2013)年2月19日
善光寺参り絵解き図制作プロジェクト

2013/02/21

メディア情報のお知らせ (2/21 信濃毎日新聞)


平成25年2月21日発行の「信濃毎日新聞」に
善光寺参り絵解き図制作プロジェクトの活動が掲載されました。


記:西澤純子





2013/02/19

第1回 制作プロジェクト/初会合



平成25年2月19日。
長野郷土史研究会」の事務所で7名が参加して、
第1回 「善光寺参り絵解き図」制作プロジェクトを開催しました。

長野では2年後の平成27年に、善光寺御開帳、新幹線金沢延伸が予定されています。
それを前に、長野ならではの絵解きで長野の伝統文化を
全国に発信していこうという取り組みです。
「善光寺参り絵解き図」の完成予定は1年後の平成26年春。
つまり善光寺御開帳のちょうど1年前です。

初会合では、図に描き込む範囲、内容、出来上がりの大きさなどを検討しました。
私はこれまで残された古い絵図を使って、その絵解きを行ってきました。
今回の取り組みは、絵解きをしたい内容を絵図の中に描き込んでいきます。
メンバーからは次々に意見や提案が出されて、夢がふくらむ会合となりました。


記:小林玲子



2013/02/18

お問合せ

善光寺参り絵解き図制作プロジェクトに関するお問い合わせは、
以下の方法よりお願い致します。

●善光寺参り絵解き図制作プロジェクト

 〒380-0905
 長野県長野市七瀬南部14-7
 長野郷土史研究会 内

 電 話 : 026-224-2673 (平日9:00~18:00)
 E-mail : kyodoshi●janis.or.jp (●を@に変えてご利用ください)





絵師紹介


 OZ / 尾頭 / 山口佳祐

 表現人 絵馬師


長野市出身、在住。
幼少期から創ることを好み、十代前半から制作活動を始める。
2001年からライブペイントを始め、即興性と場の特異性を追求。

人間と自然の関係における思想・文化・信仰を学び、「原始循環思想」を提唱。
その後の表現に大きな影響を与え続け、感覚は今も尚研ぎ澄まされ続けている。

一方で数多くの店舗内外装、展示会への企画や出展も行っている。

2011年、大絵馬 『御柱祭行列図』 を描き上げ、長野市の武井神社へ奉納。
2013年、長野市南千歳町調整100周年記念事業として
『千歳の宮ねがい大絵馬』を制作。9月14日に奉納予定。

 絵馬師としても動き始めている。

http://oz-te.com



 
 
 
 

絵解きとは

善光寺参り絵解き図制作プロジェクト顧問  
長野郷土史研究会 会長
小林一郎


 絵解きとは、絵を使ってその絵の意味を説明することです。寺院の由来、高僧の伝記、経典の内容などを語ることが多いので、絵を使った説教という一面もあります。また、芸能的な一面も持っています。

 
 絵解きの文化の起源はインドにあり、仏教とともに中国・朝鮮半島を経て日本に伝来したと考えられています。日本に定着した絵解きの文化は、日本の文化に大きな影響を与えていると考えられます。紙芝居は言うまでもありませんが、現代の日本の文化として注目されている漫画やアニメーションも、絵解きの文化の延長上にあると見ることもできます。

 
 信州善光寺は、鎌倉時代にはすでに全国に知られる寺となっていました。その陰には、善光寺聖(ひじり)による全国への布教活動がありました。善光寺聖たちは善光寺如来の分身仏を背負って回国するとともに、善光寺の由来を描いた善光寺絵伝を持ち歩いて、それを絵解きしたと考えられています。一地方寺院だった信州善光寺は、絵解きの力によって全国から信仰を集める大寺へ発展したと言ってもよいでしょう。

 
 全国的に絵解きが消えていった中で、善光寺のお膝元である長野市は現在も絵解きが盛んな地域です。寺院で絵解きが行われているばかりでなく、本会代表の小林玲子は私とともにさまざまな絵解きの復興を図ってきました。今回の善光寺参り絵解き図の制作も、小林玲子による絵解き文化復興の一環です。





善光寺参り絵解き図制作プロジェクトへの想い


善光寺参り絵解き図制作プロジェクト代表
長野郷土史研究会 副会長   
小林玲子



   私が絵解きに関心を持ったのは、今から20年以上前のことです。夫、小林一郎(現長野郷土史研究会会長)の絵解きの調査に同行したのがきっかけでした。
 かつては絵解きがされたであろう絵伝が、風に揺れながら掛けられたままになっている有様や、後継者がなく途絶えていく姿を目の当たりにしました。

  しかし絵伝には壮大な物語や教えが描かれています。それを絵解きすることによって、その絵伝の果たす役割があることを知りました。そこで1993年に善光寺の起こりを伝える「善光寺如来絵伝」の絵解きを復興しました。
 続いて「釈迦涅槃図」「当麻曼陀羅」「道元禅師絵伝」「熊野観心十界曼荼羅」など多数の絵解きを行ってきました。いずれも現存している絵伝に合わせて、夫と二人で台本を制作しました。

 そして県内はもとより全国各地に招かれて絵解きを行い、20年が経ちました。その間、絵解きのDVDを2回に渡って4本出版して、絵解きの普及に務めてきました。しかし絵解きへの理解や関心はまだまだ深まっていないと感じています。また若い方々への広まりや、後継者の育成も進んでいないのが現状です。

 長野は中世に善光寺聖によって絵解きが行われ、全国に信仰が広まった善光寺のお膝元です。また今でも周辺の寺院では絵解きが行われており、絵解きの文化が残っている全国的にも貴重な地域です。

 その長野で、このたびOZ / 尾頭 / 山口佳祐氏に依頼をして、新たな善光寺参り絵解き図を作成しようと考えました。現存する絵伝を絵解きするのではなく、絵解きをしたい内容を絵伝に盛り込もうという試みです。

 このプロジェクによって、地元の皆さまには絵解きが長野の大切な文化であることを再確認していただきたいと思います。またかつて善光寺聖が善光寺の信仰を広めるために絵解きを行ったように、全国に出向いて絵解きを行い、長野をアピールしていきます。さらに絵解きに取り組む若い方々の育成にも力を注ぎながら、絵解きの文化を後世に引き継いでいく決意です。


趣旨


 善光寺の信仰は、善光寺縁起を描いた絵伝を絵解きすることによって全国に広まりました。
また寺社の景観や伝説、そこに参詣する人々の姿を描いた絵を参詣曼荼羅と言います。寺社への参詣を促すために、江戸時代の初め頃まで絵解きが行われていました。善光寺の場合は、絵伝は数多く残っていますが、参詣曼荼羅は大阪府藤井寺市の小山善光寺に一点残っているだけです。

 長野は善光寺・かるかや山西光寺・往生寺など絵解きの文化が引き継がれている全国的にも稀な地域です。

 このたび長野の絵解きの文化を発展させ、継承するために「善光寺参り絵解き図」を制作します。それを使って新たな絵解きを創造します。

 平成27年には善光寺御開帳と新幹線金沢延伸が予定されています。それを前に、長野独自の伝統文化を全国に発信していきます。



善光寺参り絵解き図制作プロジェクト