「善光寺参り絵解き図」制作の趣旨

■ 趣旨 ■

善光寺の信仰は、善光寺縁起を描いた絵伝を絵解きすることによって全国に広まりました。
このたび長野の絵解きの文化を発展させ、継承するために「善光寺参り絵解き図」を制作します。それを使って新たな絵解きを創造します。
平成27(2015)年には善光寺御開帳と新幹線金沢延伸が予定されています。それを前に、長野独自の伝統文化を全国に発信していきます。


平成25(2013)年2月19日
善光寺参り絵解き図制作プロジェクト

2013/12/30

絵解き図に描かれる場所 十念寺の大仏堂



 


 間もなく、善光寺周辺は、二年参り・初詣で賑わいを見せます。
 善光寺はもちろんのこと、善光寺表参道沿いでは、かるかや山西光寺(北石堂町)と十念寺(西後町)が二年参りのお参りの方を迎えてくださいます。

 十念寺では、元旦午前0時から、出世大仏大祈願会が盛大に行われ、活気があります。上の写真は2011年の様子ですが、このように表参道に大きな旗が掲げられ、参拝者を迎えています。

 十念寺境内にある出世大仏は1799年の作です。現在の大仏堂は、1995年(平成7年)の大仏の解体修理の際に、建て替えられたものです。絵解き図には建て替え前の大仏堂が描かれることになっています。

記:小林竜太郎

2013/11/30

リーフレット&チラシの配布

11月30日(土)

このところ朝は氷点下となり、寒さが厳しくなってきた長野市です。

今日は午後、顧問の小林一郎と共に、リーフレットとチラシの配布に善光寺へ。
日中でも最高気温は9度と寒い長野市。
でも善光寺は参拝者でにぎわっていました。




昨日の会合で、絵図に描くことを確認した大峰山と地附山が、陽を浴びてなだらかに連なっていました。

本日の<配布先>は次の通りです。

善光寺大本願・善光寺事務局・十念寺・
菓恋・わかさ屋

今後も置いていただけるところがあれば、こちらから持参します。
どうぞよろしくお願いします。
 

※11月25日までの<配布先>

八十二銀行様のATMコーナー(長野市内の支店 約20店舗)
※店舗によってはまだ置かれていない場合がございます。
中部公民館・南千歳町公民館・権堂まちづくりセンター・長野松竹相生座・ちょっ蔵おいらい館・ぱてぃお大門えんがわ・カフェ マゼコゼ・カネマツ・弥生座・白蓮坊・かるかや山西光寺

『リーフレット』
●デザイン:山口純子
●挿   絵:尾頭/OZ/山口佳祐
『チラシ』          
●デザイン:山口純子

記: 小林 玲子

2013/11/29

第12回制作プロジェクト/すやり霞が描き込まれた原寸大原画



平成25年11月29日金曜日。
今朝の長野市は、今シーズン一番の冷え込みとなりました。

第12回目の会合は、郷土史研究会の事務所にて行われました。
前回の会合では絵師の尾頭氏アトリエにて、
原寸大の原画を前に、メンバーで議論しました。

今回は、今日の朝までバランスを見ながら描き込んだ原画を写真撮影し、
A3サイズに縮小したものを尾頭氏が準備。
前回はラフイメージで提案していたすやり霞もしっかりと描き込まれ、
周囲の山々や細かな建物も追加されており、
さらにイメージが膨らむ原画となってまいりました。

資料を見ながら、メンバーで川や山の位置、
橋の向きや建物の様子等をさらに話し合いました。

「原寸大サイズへ実際に描き込んでみると、
  想像以上に各々を配置するバランスを
 丁寧に整える必要性に気付きました」

と尾頭氏。

予定より時間がかかってはいますが、
確実に「善光寺参り絵解き図」の完成に近づいています。



記:山口純子







2013/11/28

メディア情報のお知らせ (11/28 長野市民新聞)



平成25年11月28日発行の「長野市民新聞」に
善光寺参り絵解き図制作プロジェクトの活動の様子が大きく掲載されました。



記:山口純子




2013/11/25

平成26年1月26日 『完成迫る善光寺参り絵解き図』 チラシ完成

平成26年1月26日 『完成迫る善光寺参り絵解き図』と題して
制作途中の絵解き図のお披露目行事が開かれます。


当日は、栃木県立学悠館高校教諭・東洋大学講師の久野俊彦氏の講演を予定しています。
また、シンポジウムや絵解きも実施予定です。

現在制作中の絵解き図。
来年1月26日にはどのくらい描き進められているのか。
そして、その制作途中の絵解き図を使った絵解き。

今から本当に楽しみです。


●チラシデザイン:山口純子



記:山口純子



善光寺参り絵解き図 『リーフレット』 完成

この度、善光寺参り絵解き図制作プロジェクトの趣旨や想い、制作スケジュール等を記載したリーフレットが完成しました。皆様ぜひご覧ください。





長野市内を中心に、以下の場所へ配布致しました。
今後もさらに配布予定です。


<配布先> ※11月25日現在

八十二銀行様のATMコーナー(長野市内の支店 約20店舗)
※店舗によってはまだ置かれていない場合がございます。
中部公民館・南千歳町公民館・権堂まちづくりセンター・長野松竹相生座・ちょっ蔵おいらい館・ぱてぃお大門えんがわ・カフェ マゼコゼ・カネマツ・白蓮坊・かるかや山西光寺

●デザイン:山口純子
●挿   絵:尾頭/OZ/山口佳祐          



記:山口純子








2013/11/22

第11回制作プロジェクト/原寸大原画を見ながらの会合




平成25年11月22日金曜日。

今回は初めて、絵師である尾頭氏のアトリエにて会合を行いました。
原寸大原画を前に、様々な項目が議論されました。

原寸大原画をA3サイズに縮小したものへ
尾頭氏がすやり霞のラフイメージを描き込んだものを見ながら
建物の大きさや位置等を確認しました。

また、本日は新聞社2社の取材も受けました。


今後、原寸大原画の更なる描き込みが進みます。



記:山口純子







2013/11/19

絵解き情報/11月23日(安曇野市給然寺お十夜法要)

●絵解き「当麻曼陀羅」
小林玲子(長野郷土史研究会副会長・絵解き口演家)
11月23日(土)勤労感謝の日 正午~13時
 
 
拝観料 1000円
参加自由、申し込み不要
 
1年に1度、寺宝の当麻曼陀羅を公開します。
絵解きはどなたでもお聴きいただけます。どうぞご参加ください。
 
                      
                    
                      (写真は1昨年の絵解き)
 
【お問合せ】
 給然寺(安曇野市明科中川手104-1 ℡0263-62-2512)

2013/11/17

絵解き図に描かれる場所 西宮神社

 今年も11月18、19、20日に行われる西宮神社の「えびす講」の時期がやってきました。
 この神社は大正時代に現在地に移ってきました。それ以前は今よりもやや南側で、武井神社の北側にあったことから、善光寺参り絵解き図でも、武井神社のすぐ北側に描かれることになっています。
 
 特に賑わうのは、19日夜の宵えびすです。写真は、昨年の様子。お参りするのに長蛇の列ができていました。こんなに長蛇の列ができる神社は、善光寺界隈では他にありません。境内近くの通りには、縁起物などを売る露店が軒を連ねます。 
 
 
 松本でも、四柱神社境内社の恵比寿神社のお祭りとして、えびす講が同じ頃行われています。本日(11月17日)松本に行った折、お参りしてきました。松本では、列をつくってお参りする姿はなく、おみこしが出たり、野菜が販売されたりしていて、市民が自分たちでつくり、盛り上がるえびす講という雰囲気でした。
 
 まちによって、えびす様のお祭りでも大きく違っています。
 
 記:小林竜太郎

●02 - 本格的に描き進められている原寸大原画



11月17日、秋晴れの長野市。

尾頭のアトリエでは原寸大原画が描き進められていました。

前回の会合を踏まえ、建物から順に描く事としました。

これまで時間をかけて整えた詳細な資料やイメージスケッチを
正確な位置情報として原画へ落とし込み、
建物のバランスをひとつひとつ調整していました。

更には、「善光寺境内」と「門前町周辺」のエリア分けを行い、
絵解き図完成をイメージしながら制作を進めていました。




現在の進行状況は、
「善光寺境内」エリアの建物、半分程度が描き上がったようです。



記:山口純子



2013/11/13

第10回制作プロジェクト/今後の予定確認と広報

平成25年10月31日。 
 
長野郷土史研究会の事務所で、会合を開きました。
 
最初に完成したリーフレットの配布先と、これから作るチラシについて話し合いました。
尾頭さんからは、絵図の進行状況と今後の予定が発表されました。
 
原寸大原画の仕上がりは11月24日と発表がありました。
続いて12月末から本描きに入り、1月26日の長野郷土史研究会の行事には、原画の途中経過をお披露目することになりました。
 
大本願で開催される行事では、講演会やシンポジウムを行い、私も絵解きの触りをご披露することになりました。
 
1月26日には、多くの皆様にお越しいただけるように、広報を進めていくことを確認しあいました。
 
記:小林玲子



 

2013/10/06

●01 - 原寸大原画の制作中




10月6日、日曜日。
日中は29度を超える真夏のような暑さに逆戻りした長野市。

絵師 尾頭のアトリエでは、集中した制作が進められていました。

これまでの会合で話し合ってきた内容や数々の貴重な資料を基に
原寸大の主要な地点の原画を細かく描いています。

仕上がりの色やバランスを考慮したそれらは
鉛筆の線ながら、力強く描かれていました。



彼の手は描き進めています。



記:山口純子




制作スケジュール






2013/09/29

制作プロジェクトへの想い

かるかや山西光寺 副住職寺庭
 竹澤 環江 


 かるかや山西光寺は、長野駅から善光寺へ向かう最初にあるお寺です。歴史は800年になります。善光寺参拝の折には必ず立ち寄る寺として、また「絵解きの寺」とも呼ばれています。

 寺宝「刈萱道心と石童丸」・「六道地獄絵」・「十王めぐり」の絵解きをご要望に応じて随時行っています。(ホームページをご参照ください

 当山の絵解きの歴史は明治期には参拝者に仏教の教化のための一助として、盛んに行われていたようです。絵解きの需要がなくなる時代の流れとともに、衰退していきました。その衰退していた絵解きを明治大学教授 林雅彦氏にご指導を頂きまして、第59世住職夫人(現寺庭)である義母が35年前に、新たな絵解きとして復興しました。

 私は副住職寺庭で2007年から師とする義母と絵解き・紙芝居活動を行っています。

 このたび善光寺参り絵解き図制作プロジェクトのメンバーに加えていただきました。

 メンバーとともに作り上げていく絵解き図の作成過程を目のあたりにして「絵解き図」に期待が膨らんでいます。学ばせていただく機会を頂きまして、絵解き文化の継承と未来に思いを馳せ、自身の絵解きにも精進したいと思います。



2013/09/26

第9回制作プロジェクト/配置・すやり霞の検討&広報

平成25年9月26日。

暑さ寒さも彼岸までと言いますが、彼岸あけの今日は、肌寒いような日。
午後1時から、長野郷土史研究会事務所で9回目となる会合を開きました。

原寸大の原画を壁に貼り、絵師の尾頭さんが配置やバランスを説明しました。
尾頭さんが手に持っているのは、「お羽根指し」と言い、先端に鳥の羽根が付いています。
私が絵解きをする時に使う、絵伝を痛めないように、指し示す棒です。



尾頭さんは、前回8月の原画と比較しながら、善光寺境内と門前町のバランスを解説。

また各場面を区切る「すやり霞」についても解説しました。丸型雲と平型雲の使い分けを検討していると説明がありました。

メンバーは説明を聞いて、仕上がりをイメージしながら意見を出し合いました。

続いて前回提案のあった、活動の宣伝用パンフレットについても検討。
形態、紙質、部数などを決めました。
最後に尾頭さんから制作日程の確認。
原寸大原画の仕上がりは、11月中旬以降。
本描きは12月から取りかかると、発表がありました。

また1月26日に行われる長野郷土史研究会の総会には、途中経過を公開します。
そのチラシも作って、広報していくことになりました。

来春の完成に向けて、期待が高まる会合となりました。


記:小林玲子



2013/09/24

絵解き図に描かれる場所 栽松院

 善光寺参り絵解き図制作プロジェクトメンバーの小林竜太郎です。私はこのブログで、絵解き図に描かれる場所の話題を書いていきたいと思います。

 善光寺表参道沿いに栽松院(さいしょういん)というお寺があります。観音堂から始まった寺で、「しまんりょう」の名で親しまれています。長野市民によく知られた「しまんりょ小路」の「しまんりょ」の名前は、このお寺に由来します。栽松院は今回の絵解き図にも描かれる予定です。
 その栽松院の境内にあるのが、嶋の天神です。その天神さんの前には、昭和4年につくられた、こんな石の標柱が立っています。

 

「善光寺 嶋の天神」

 ここは善光寺境内でないにもかかわらず、「善光寺」と書かれています。昔は、善光寺の周囲の町、いわゆる「善光寺町」のことも善光寺と称していたからでしょう。
 
 
 善光寺参り絵解き図には、善光寺境内だけでなく、周囲の町、寺社、山、川なども描きこまれます。善光寺なのになぜ周囲も含まれるのでしょうか? 現代の感覚では不自然に思われるかもしれません。でも昔の人々は、善光寺の周囲の暮らしや自然の営みも、善光寺の一部として、一体のものととらえていたはずです。この感覚を、絵解き図を通して多くの方に取り戻してほしいと願っています。(小林竜太郎)

2013/08/21

第8回制作プロジェクト/原寸でバランスを検討


平成25年8月21日。

時折、小雨がぱらつき、蒸し暑い日。
長野郷土史研究会の事務所で8回目の会合を開きました。

2月にスタートした本プロジェクト。
8月10日に開設したブログをパソコンで確認。
メンバー各人が活発に更新していこうと話し合いました。

今回は、絵師の尾頭さんが原寸大の下書きを持参。
壁に貼ると、メンバーから歓声が上がりました。
尾頭さんが全体のバランスのとり方を説明。
また、すやり霞や植栽の描き込み方についても解説しました。

これまで頭の中だけで、想像していた絵図。
それが原寸大の図を提示してもらったことにより、
仕上がりのイメージが大きく膨らみました。

最後に描き込む人物や動物などを最終確認。
意見を出し合って、追加や修正をしました。

どんな意見でも、それを前向きに受け入れてくれる尾頭さん。
熱心に話し合いが行われ、充実した会合となりました。


記:小林玲子



2013/08/14

絵解き情報/10月16日(長野市立中部公民館)


●長野市立中部公民館主催「もみじ大学」

 10月16日(水) 午後1時30分~3時30分

 絵解き「善光寺如来絵伝」他
 
 小林玲子(長野郷土史研究会・絵解き口演家)
 参加自由、申し込み不要  

 【お問合せ】
 長野市立中部公民館 026-234-1883


2013/08/12

絵解き情報/8月16日(金)

●深川 門前仲町 「法乗院(えんま堂)」  場所:東京都江東区2-26-3
   8月16日(金) 午前10時、11時
   「旧盆法事」地獄絵解き口上とその解説
   絵解き 麻布十兵衛さん

●武蔵中原 「安楽寺」 場所:埼玉県川崎市中原区小田中2-36-1
   8月16日(金) 午後14時、15時、16時
   「旧盆法事」地獄絵解き口上とその解説
    絵解き 麻布十兵衛さん

●「小林玲子の善光寺表参道日記」より 
 これまでに小林玲子が拝聴した十兵衛さんの絵解き
 2012年1月16日「藪入りに地獄図の絵解き
 2012年7月16日「法乗院えんま堂で絵解き
 2012年9月16日「絵解き文化の旅
 

 記:小林玲子

2013/08/10

絵解き情報/ 8月12日(かるかや山西光寺)

●かるかや山西光寺の絵解き

8月12日、善光寺と門前町では、お花市が行われます。
 参道にはたくさんの露店がならび、仏様に供えるお花を買い求める人々でにぎわいます。

それに合わせて、長野駅近くのかるかや山西光寺(北石堂町)の本堂で、
恒例となった「十王巡り」「六道地獄図」の絵解きが行われます。

8月12日(月)午後7時からと8時からの2回開催。

どなたでもご自由にご参加いただけます。お子さま連れで、どうぞお出かけください。
 
 

2013/07/24

第7回制作プロジェクト/原画作成に向けて内容の調整



平成25年7月24日。
大粒の雨が降る長野市、「長野郷土史研究会」の事務所にて
7回目の会合が開かれました。

今日の議題は、前回に続き、内容の調整。
OZ氏が準備したラフスケッチの資料をもとに話が進みました。
善光寺境内をどのようにレイアウトして描いていくか。
どのような向きで、バランスで描くのがよいか。

話し合う内容はたくさんありますが、
新たに作るからこそ、ひとつひとつ考えて盛り込むことができます。

また、善光寺参り絵解き図制作プロジェクトのために
絵師のOZ氏が、描き下ろしで、素敵なロゴを作成してくれました。
着物を着た日本美人が絵解きをしている様子を描いた品のあるロゴ。
色気をも感じさせる着物の線。
お見事!とプロジェクトのメンバーを唸らせるほど。


ワンポイントとして、ブログのヘッダーにも掲載させていただきました。

OZ氏の手により、どんな絵解き図が出来上がるのか、今から本当に楽しみです。


記:西澤純子


2013/06/27

第6回制作プロジェクト/原画作成に向けて内容の検討

 
平成25年6月27日。
「長野郷土史研究会」事務所にて、第6回制作プロジェクトの会合が開かれました。
 
今回の会合で最も重要な議題となったのは
絵解き図へ描く “内容の検討”。
 
絵師のOZ氏が、第3回制作プロジェクトで実施した調査をもとに、
原画作成用に、地図を細かくまとめ、撮影写真を整えて、
必要なラフスケッチを描いた資料を準備。
この資料を見ながら、建物の向きや形、位置の確認等を行いました。
 
OZ氏が作成した丁寧な資料を見ているだけでも、
今までにない、新たなの絵解き図が誕生するのでは・・・と
期待で胸が膨らむ、前向きな話し合いとなりました。
 
 
記:西澤純子
 
 
 
 

2013/06/03

第5回制作プロジェクト/善光寺境内の実地調査

 
平成25年6月3日。
第3回に続き、実地調査が行われました。
 
今回は善光寺境内の調査。
日差しが強く、まるで真夏のような天気の中、
絵解き図に描かれる予定の各場所を
小林一郎氏と共に歩いてまわりました。
 
絵師のOZ氏は、説明を聞きながら
丁寧に記録を取り、時にはラフスケッチを描きながら
絵解き図のイメージを膨らませていました。
 
 
絵解き図完成予定は平成26年3月。
制作プロジェクトの想いが詰まった絵解き図となるよう
これから更に、準備を進めていきたいと思っております。
 
 
記:西澤純子
 
 
 

2013/05/21

第4回制作プロジェクト/原画に向け完成イメージの推敲


平成25年5月21日。
「長野郷土史研究会」事務所にて、第4回制作プロジェクトの会合が開かれました。

今回の会合では、完成イメージと実際に描く際のタッチを検討しました。

線や色をはじめ、筆のタッチや色の重ね方といった描写方法で、
仕上がりは大きく異なる為、
制作の始まる今から念入りに検討する必要があります。
また、今回の制作では全体の雰囲気がとても重要になってきますので、
原画作成のもととなるラフスケッチを何度も描き出しました。

私がイメージする線や色を、プロジェクトメンバーへ伝える為に、
何度も鉛筆を動かしながらお話を進めていきます。

無数にある抽象的なイメージを、
ひとつひとつじっくりと具象的なかたちへと整えていく原画作成作業。

第4回目を迎えた本会合において、また少し原画に近づいた時間でした。


記:OZ/尾頭/山口佳祐


2013/04/13

メディア情報のお知らせ (4/13 長野市民新聞)



平成25年4月13日発行の「長野市民新聞」に
善光寺参り絵解き図制作プロジェクトの活動の様子が掲載されました。


記:西澤純子





2013/04/10

第3回 制作プロジェクト/善光寺周辺の実地調査



平成25年4月10日。
桜が咲き始め、気持ちの良い季節。

第3回制作プロジェクトは、長野駅周辺から門前町までを
前回の会合で作り上げた地図を持って、
実際に歩きながら各場所を確認し、撮影しました。

小林一郎氏(当制作プロジェクト顧問・長野郷土史研究会会長)による
細やかな説明を聞きながら町を歩くと、見慣れた交差点をひとつ見ても、
昔の光景が目に浮かび、歴史を感じることができました。

描かれる予定の寺社仏閣や橋、川の位置等を
ひとつひとつ確認した今回の実地調査。
絵解き図制作の準備には欠かすことのできない
大変興味深い、貴重な時間だったと思います。


善光寺境内の実地調査は後日実施予定です。


記:西澤純子





2013/03/19

第2回 制作プロジェクト/原画の元の地図を作成

 
平成25年3月19日。
長野郷土史研究会」の事務所で、第2回の会合を開きました。

今回は、住宅地図やMAPを参考にして、描き込む内容を整理し、検討しました。
 
描く時代設定は、善光寺本堂が完成した江戸時代中頃の善光寺と周辺、門前町としました。
当時の街道や川の流れは、小林一郎が場所を描き込み、
原画の元になる地図の作成を進めました。
 
来春の完成時にお披露目するのではなく、制作過程を、順次公開していく予定です。
絵解き図を制作する絵師は、OZ / 尾頭 / 山口佳祐 さん。
制作が進む一方では、絵解きをするための絵解き台本を制作していきます。
長野の歴史や風土や文化を、絵解きによって発信できるような
「善光寺参り絵解き図」を作り上げていきます。
皆さま、どうぞご期待ください。
 
次回は作り上げた地図を持って、実際に歩いて各場所を確認します。
 
 
記:小林玲子
 
 
 

2013/02/21

メディア情報のお知らせ (2/21 信濃毎日新聞)


平成25年2月21日発行の「信濃毎日新聞」に
善光寺参り絵解き図制作プロジェクトの活動が掲載されました。


記:西澤純子





2013/02/19

第1回 制作プロジェクト/初会合



平成25年2月19日。
長野郷土史研究会」の事務所で7名が参加して、
第1回 「善光寺参り絵解き図」制作プロジェクトを開催しました。

長野では2年後の平成27年に、善光寺御開帳、新幹線金沢延伸が予定されています。
それを前に、長野ならではの絵解きで長野の伝統文化を
全国に発信していこうという取り組みです。
「善光寺参り絵解き図」の完成予定は1年後の平成26年春。
つまり善光寺御開帳のちょうど1年前です。

初会合では、図に描き込む範囲、内容、出来上がりの大きさなどを検討しました。
私はこれまで残された古い絵図を使って、その絵解きを行ってきました。
今回の取り組みは、絵解きをしたい内容を絵図の中に描き込んでいきます。
メンバーからは次々に意見や提案が出されて、夢がふくらむ会合となりました。


記:小林玲子



2013/02/18

お問合せ

善光寺参り絵解き図制作プロジェクトに関するお問い合わせは、
以下の方法よりお願い致します。

●善光寺参り絵解き図制作プロジェクト

 〒380-0905
 長野県長野市七瀬南部14-7
 長野郷土史研究会 内

 電 話 : 026-224-2673 (平日9:00~18:00)
 E-mail : kyodoshi●janis.or.jp (●を@に変えてご利用ください)





絵師紹介


 OZ / 尾頭 / 山口佳祐

 表現人 絵馬師


長野市出身、在住。
幼少期から創ることを好み、十代前半から制作活動を始める。
2001年からライブペイントを始め、即興性と場の特異性を追求。

人間と自然の関係における思想・文化・信仰を学び、「原始循環思想」を提唱。
その後の表現に大きな影響を与え続け、感覚は今も尚研ぎ澄まされ続けている。

一方で数多くの店舗内外装、展示会への企画や出展も行っている。

2011年、大絵馬 『御柱祭行列図』 を描き上げ、長野市の武井神社へ奉納。
2013年、長野市南千歳町調整100周年記念事業として
『千歳の宮ねがい大絵馬』を制作。9月14日に奉納予定。

 絵馬師としても動き始めている。

http://oz-te.com



 
 
 
 

絵解きとは

善光寺参り絵解き図制作プロジェクト顧問  
長野郷土史研究会 会長
小林一郎


 絵解きとは、絵を使ってその絵の意味を説明することです。寺院の由来、高僧の伝記、経典の内容などを語ることが多いので、絵を使った説教という一面もあります。また、芸能的な一面も持っています。

 
 絵解きの文化の起源はインドにあり、仏教とともに中国・朝鮮半島を経て日本に伝来したと考えられています。日本に定着した絵解きの文化は、日本の文化に大きな影響を与えていると考えられます。紙芝居は言うまでもありませんが、現代の日本の文化として注目されている漫画やアニメーションも、絵解きの文化の延長上にあると見ることもできます。

 
 信州善光寺は、鎌倉時代にはすでに全国に知られる寺となっていました。その陰には、善光寺聖(ひじり)による全国への布教活動がありました。善光寺聖たちは善光寺如来の分身仏を背負って回国するとともに、善光寺の由来を描いた善光寺絵伝を持ち歩いて、それを絵解きしたと考えられています。一地方寺院だった信州善光寺は、絵解きの力によって全国から信仰を集める大寺へ発展したと言ってもよいでしょう。

 
 全国的に絵解きが消えていった中で、善光寺のお膝元である長野市は現在も絵解きが盛んな地域です。寺院で絵解きが行われているばかりでなく、本会代表の小林玲子は私とともにさまざまな絵解きの復興を図ってきました。今回の善光寺参り絵解き図の制作も、小林玲子による絵解き文化復興の一環です。





善光寺参り絵解き図制作プロジェクトへの想い


善光寺参り絵解き図制作プロジェクト代表
長野郷土史研究会 副会長   
小林玲子



   私が絵解きに関心を持ったのは、今から20年以上前のことです。夫、小林一郎(現長野郷土史研究会会長)の絵解きの調査に同行したのがきっかけでした。
 かつては絵解きがされたであろう絵伝が、風に揺れながら掛けられたままになっている有様や、後継者がなく途絶えていく姿を目の当たりにしました。

  しかし絵伝には壮大な物語や教えが描かれています。それを絵解きすることによって、その絵伝の果たす役割があることを知りました。そこで1993年に善光寺の起こりを伝える「善光寺如来絵伝」の絵解きを復興しました。
 続いて「釈迦涅槃図」「当麻曼陀羅」「道元禅師絵伝」「熊野観心十界曼荼羅」など多数の絵解きを行ってきました。いずれも現存している絵伝に合わせて、夫と二人で台本を制作しました。

 そして県内はもとより全国各地に招かれて絵解きを行い、20年が経ちました。その間、絵解きのDVDを2回に渡って4本出版して、絵解きの普及に務めてきました。しかし絵解きへの理解や関心はまだまだ深まっていないと感じています。また若い方々への広まりや、後継者の育成も進んでいないのが現状です。

 長野は中世に善光寺聖によって絵解きが行われ、全国に信仰が広まった善光寺のお膝元です。また今でも周辺の寺院では絵解きが行われており、絵解きの文化が残っている全国的にも貴重な地域です。

 その長野で、このたびOZ / 尾頭 / 山口佳祐氏に依頼をして、新たな善光寺参り絵解き図を作成しようと考えました。現存する絵伝を絵解きするのではなく、絵解きをしたい内容を絵伝に盛り込もうという試みです。

 このプロジェクによって、地元の皆さまには絵解きが長野の大切な文化であることを再確認していただきたいと思います。またかつて善光寺聖が善光寺の信仰を広めるために絵解きを行ったように、全国に出向いて絵解きを行い、長野をアピールしていきます。さらに絵解きに取り組む若い方々の育成にも力を注ぎながら、絵解きの文化を後世に引き継いでいく決意です。


趣旨


 善光寺の信仰は、善光寺縁起を描いた絵伝を絵解きすることによって全国に広まりました。
また寺社の景観や伝説、そこに参詣する人々の姿を描いた絵を参詣曼荼羅と言います。寺社への参詣を促すために、江戸時代の初め頃まで絵解きが行われていました。善光寺の場合は、絵伝は数多く残っていますが、参詣曼荼羅は大阪府藤井寺市の小山善光寺に一点残っているだけです。

 長野は善光寺・かるかや山西光寺・往生寺など絵解きの文化が引き継がれている全国的にも稀な地域です。

 このたび長野の絵解きの文化を発展させ、継承するために「善光寺参り絵解き図」を制作します。それを使って新たな絵解きを創造します。

 平成27年には善光寺御開帳と新幹線金沢延伸が予定されています。それを前に、長野独自の伝統文化を全国に発信していきます。



善光寺参り絵解き図制作プロジェクト